2020年9月29日火曜日

【ロッド修理】折れたセフィアBB メタルスッテ(B66M-S)を修理する

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イカメタルロッドが折れた!

私が持っているセフィアBBのメタルスッテは、型番がB66M-Sというティップがソリッドのタイプです。
残念なことに前回のイカ釣り釣行で折れてしまいました。。

セフィアBBメタルスッテモデルについては以前記事にしていますので参考にしてみて下さい。

最近流行りのイカメタル オフショアの釣りをやるようになってから、最近イカメタルにハマっています。 一時期、ショアからのアオリイカのエギングやヤエン釣りにもハマっていた時期もありましたが、最近は磯焼けの影響なのか、ショアからはアオリイカ...

破損した部分はソリッドとチューブラーの継ぎ目、5番ガイドと6番ガイドの間で、ちょうど色が変わる部分です。
イカメタルロッドはこのソリッドとチューブラーの継ぎ目が弱い傾向にあります。

イカメタルロッドはバットからベリーにかけては硬く、ティップ部はソリッド素材で極端に柔らかいという特徴がありますので、この継ぎ目の部分にはかなりの負荷がかかるものと想像されます。

折れた部分を観察してみると、カーボンのブランクスが裂けるように破断していることがわかります。
これは明らかに強度不足でしょう。

来シーズンになってからどうするか考えようと思っていましたが、折れたまま放置するのもなんだか気がひけるので、手持ちの部材で修理したいと思います。

修理に使用する道具・部材

2液性エポキシ接着剤

折れたロッドの接着や、ガイドを取り付けたりスレッドを巻いたりするのに必要です。
これだけは手持ちが無かったので近所のホームセンターにて購入しました。 価格は300円ほどです。

エポキシ接着剤には5分硬化や30分硬化など様々に種類のものがありますが、今回は硬化開始が90分のものを使用しました。 ロッドの修理には硬化時間が長めの方が使いやすいと思います。

パッケージにはルアーやロッドのイラストが載っていますので、メーカーも釣具の修理に使ってね!ということなのでしょう。

瞬間接着剤(アロンアルファ)

ガイドを仮止めする際に使用します。

スレッドまたは使用済みPEライン

ガイドを取り付けたり、ブランクスの補強に使用します。

私はスレッドの替わりに使用済みのPEラインを利用しました。
号数は1.5号です。スレッドの代わりに使うには1号以上の太さのものが良いと思います。

カッターナイフ

ガイドを取り外す際に使用します。

サンドペーパー

ガイドを外した後のエポキシ樹脂を削ったり、折れたロッドの表面を整えたりする際に使用します。

ヤスリ

こちらも、折れたロッドの整形に使用します。

のこぎり

破損したカーボンブランクスを切断する際に使用します。

マスキングテープ

マーキングの他、エポキシ接着剤がつかないようにマスキングします。

修理の手順

破損部分のガイドを取り外す

破損部分の前後のガイドを取り外します。

ガイドはエポキシ樹脂とスレッドで固定されていますので、エポキシ樹脂の部分をライターで軽く炙り、カッターナイフで削って取り外しします。

ライターを使う際はガイドのフット部分の付け根のエポキシ樹脂を炙ります。
炙るのは長くても1秒程度です。
なお、カーボンブランクスは絶対に炙ってはいけません。

ガイドはソリッド側とチューブラー側の両方取り外ししました。

チューブラーの破損部分を切断する

チューブラーの部分はブランクスが裂けるように割れていましたので、破損部分をノコギリで切断します。

切り口はヤスリやサンドペーパーを使ってならしておきます。

カーボンブランクスの残骸を取り除く

ソリッドティップのロッドは、チューブラーのブランクスにカーボンソリッドを差し込むように作られています。 ソリッドティップとチューブラーの接合部分にカーボンの残骸が残っていますので、これをヤスリやサンドペーパーを使って取り除きます。

チューブラーにソリッドティップを差し込みする

ソリッドティップ側のカーボンの残骸をきれいに取り除くと、チューブラーの穴の部分に差し込みすることが出来ると思います。

うまく入らない場合は、チューブラー側をもう少し根本寄りの部分で切断するか、ソリッド側をヤスリで削って太さを調節します。
ソリッド側を細く削ってしまうと強度が足りなくなるので注意しましょう。

もともとソリッドがチューブラーに差し込みされている部分の長さは3.3cm程度のようです。
これで強度を保てるのでしょうか? 最低でも差し込みする長さは4~5cm程度はほしいところ。

ソリッドティップを固定する

ソリッドティップがうまく差込できるようなら、2液性のエポキシ接着剤で固定します。

2液性のエポキシ接着剤は、エポキシ樹脂と硬化剤を1:1の量で混ぜ合わせて使用します。

よく混ぜ合わせた接着剤を爪楊枝などを使って、ソリッドティップの接合部と、チューブラーの穴の中にも塗ります。
90分硬化開始のエポキシ接着剤ですが、説明書によると完全に硬化するには丸1日(24時間)程度は必要とのこと。

ガイドの向きの注意してソリッド部を差し込み固定します。

ソリッドとチューブラーの段差を埋める

丸一日経って、ソリッドティップはガッチリと固定されました。

これだけでも十分使えそうな雰囲気ですが、ソリッドとチューブラーとの接合部分の補強をしないと割れてくると思います。

通常、この継ぎ目の部分にガイドを取り付けすることで強度アップを図ります。
ですが、継ぎ目にはどうしても段差が出来てしまいますので、そのままではガイドを取り付けすることが出来ません。

そこで、ソリッドの部分にスレッドを巻くことにより段差をなくします。
私はスレッドの代わりに、使い古したPEライン(1.5号)を使用しました。

スレッドを巻きつけた後、エポキシ接着剤にて固めます。

ガイドの仮止め

ガイドフットがソリッドとチューブラーの継ぎ目の部分に跨るようにガイドを仮止めします。
継ぎ目の部分にガイドフットがくることで強度が高まります。
仮止めには瞬間接着剤を使用しました。

ガイドの固定とブランクスの補強

ソリッドが差込されているチューブラー部の強度をアップします。

ソリッドティップは約3.3cm程、チューブラーに差込されています。
この継ぎ目はどうしても負荷が集中して折れやすい部分ですので、スレッドをぐるぐる巻きにしてエポキシ接着剤にてがっちり固定し、強度を確保したいと思います。

目印にマスキングテープを貼り付けておきます。

あらかじめスレッドを巻く部分に、エポキシ接着剤を塗布した後、スレッドを巻きつけていきます。

スレッドを巻き終わったら、その上から更にエポキシ接着剤をこれでもかというぐらい塗りたくっていきます。

マスキングテープを貼り付けたままエポキシ接着剤が硬化してしまうと、マスキングテープが剥がせなくなりますので硬化する前に剥がしておきます。

あとは、丸一日エポキシ接着剤が完全に固まるのを待つだけですが、エポキシ接着剤が垂れてくるので時折様子をみてロッドの向きを変えてやります。

仕上がり

接合部分の仕上がり

素人修理にしては、なかなかうまく出来たんじゃないかと思います。
近づいてよく見ないと修理したことがわからないぐらいです。

強度テスト

丸一日経過し、エポキシ接着剤が完全に硬化した後、どの程度強度があるのかを試してみました。

継ぎ目の部分が破損することもなく、ソリッドティップの部分がきれいに曲がり込んでいます。

接合部分をスレッドとエポキシ接着剤で強度アップしていますので、折れる不安はありません。

B66M-Sはスッテの重さは25号まで対応していますので、さらに重い30号のオモリをぶら下げて、ロッドの曲がりを見てみます。

30号のオモリ負荷でも大丈夫そうです。

修理前後の比較

修理が完了したロッドは全長で187cmと元々の長さから約12cm程短くなりました。 6.1ftです。
若干短いように思いますが、まぁ問題ないでしょう。
重さは約2g軽くなり、ガイド数も1個少なくて、全部で11個となりました。

全長 重さ ガイド数
修理前 198cm 85g 12個
修理後 187cm 83g 11個

まとめ

実釣テストは来シーズンまでお預けですが、初めてのロッド修理にしては、なかなかの仕上がりだと思います。
新たに購入したのは2液性のエポキシ接着剤のみで、他は手持ちの部材で簡単に修理することが出来ました。

修理に必要な部材はホームセンターで購入できる物ばかりですので、ロッドが折れても捨ててしまわずに、一度DIYにて修理してみてはいかがでしょうか?