2021年4月24日土曜日

マキタの14.4Vバッテリーを電動リール用のバッテリーとして流用する

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電動リールの電源について

船電源

船の電源は不安定

今まで電動リールを使用する際は、船に装備されている電源を使用していました。
しかし、私がよく利用する船の電源は、電圧が若干低く、同船しているメンバーが同時に電動リールを使用すると電圧低下で電動リールが停止してしまう場合があります。

シマノ・ダイワの電動リールの特性

このトラブルはシマノの電動リールを使用しているメンバーには顕著に発生し、ダイワの電動リールでは発生しません。

このことから、シマノの電動リールは、電圧低下を監視するしきい値が高めに設定されているのだと思います。
マニュアルによると、電圧が10.5Vを下回ると電圧低下のマーク(電池のマーク)が表示されるようです。

さらに、以下の記載もあります。怖いですね。

電動リールのディスプレイに低電圧を示す電池のマークが表示される状態で、高負荷の巻き上げ(大電流が流れる)を行うと、内部の電子部品が破損しレンズが飛び出る場合があります。

車用バッテリー

釣りの最中に、たびたび電動リールが停止することは、ストレス以外の何物でもありません。
かといって、釣具メーカーから発売されている電動リール専用バッテリーは、ボッタクリとも言える価格設定です。

ですので、次に行った対策は車用のバッテリーを電動リール用のバッテリーとして流用することです。

こちらは以前、記事にしていますので参考にしてください。

電動リール用の専用バッテリー 純正バッテリー シマノやダイワから電動リール用バッテリーとして専用品が発売されています。 ですが、これらメーカー純正の電動リール用バッテリーは値段が高すぎるように思います。 ...
車用バッテリーの弱点

電動リールを使用する上では、車用のバッテリーでなんら問題はないのですが、重量があり持ち運びが少し面倒です。また、車用のバッテリーは電圧が12Vですので、電動リールの性能を100%発揮させることが出来ません。

電動リールの性能を100%発揮させるためには、12Vよりも高い電圧のバッテリーを使用する必要があります。
ちなみにシマノの電力丸の電圧は14.8Vです。

マキタのリチウムイオンバッテリー

マキタの14.4Vリチウムイオンバッテリーを流用する

シマノの電動リールのマニュアルによると、電動リールは「DC12V~14.8Vの電源を使用してください」とあります。これを聞いて頭に思い浮かぶのが、電動工具メーカーとして有名なマキタの14.4Vリチウムイオンバッテリーです。

現状、マキタの電動工具に使用されるリチウムイオンバッテリーは14.4Vと18Vが主流です。
このマキタの14.4Vリチウムイオンバッテリーを、電動リール用のバッテリーとして流用するのが今回の目的です。

当然ながら、マキタのバッテリーは、マキタの電動工具専用に設計されたものです。
このままでは電源を取り出すことが出来ませんので、ある程度の加工が必要です。
また、船で使用するためには防水や防錆などを考える必要もあります。

加工と言っても、バッテリー本体に手を加えるわけではありません。
電動リールコードのワニ口クリップを接続するための端子と、防水のためのバッテリーケースを作成します。

マキタ互換バッテリー

マキタの純正バッテリーは高いです。
電動リールを動かすのに、マキタ純正のバッテリーはもったいないので、互換バッテリーを使用しています。

最近は互換バッテリーも品質が上がっており、実用上は何ら問題ないものがほとんどです。
注意点として、互換バッテリーを充電する際は、互換バッテリー用の充電器を使用することです。

マキタ純正の急速充電器を使用してはいけません。
マキタの急速充電器は高電流が流れますので、互換バッテリーを充電するのは危険です。

対して互換バッテリー用の充電器は、多くても3A程度の電流しか流れませんので、バッテリーが発火することは無いと思います。

電動リール用バッテリーケースを作る

必要なもの

マキタバッテリーホルダー

マキタのバッテリーに接続して電源を取り出すための部品です。
これは本来、マキタのワークライト用の補修部品になります。
モノタロウで購入しました。値段は200円程度です。

100均の密閉容器

14.4Vのマキタのバッテリーが収まるサイズです。 100円ショップのダイソーにて購入しました。
ふたを周囲4箇所でロックする構造になっており、さらに防水パッキンがありますので、船での使用でも安心です。

ステンレス∪字金具

電動リールコードのワニ口クリップを取り付ける端子になります。
防錆のためステンレス素材の∪字金具です。
規格は10Aというもので、ネジのサイズはM6になります。

近所のホームセンターにて購入しました。

ナット・ワッシャー

∪字金具を密閉容器に固定します。

これも近所のホームセンターにて購入しました。

配線コード(1.25sq)

配線コードは手持ちの1.25sqのものを使用しました。

小型の電動リールは多くても10A程度の電流ですので、配線コードの太さは1.25sqで十分です。

丸形端子

ネジのサイズはM6ですので、6φのものを使用します。

250型平型端子(メス)

バッテリーホルダーの端子にそのまま接続することが出来ます。

作り方

配線コードに端子を取り付ける

配線コードに平型端子と丸形端子を取り付けします。
配線コードの長さは10cm程度で問題ありません。

蓋に穴をあける

∪字金具を取り付けるため、ドリルを使って蓋に穴を開けます。
∪字金具のネジサイズはM6ですので、6.5mmの木工用ドリルビットを使います。

∪字金具を取り付ける

蓋に∪字金具を取り付けします。
その際に丸形端子をナットとワッシャーで挟み込むように締め付けします。

平型端子の取り付け

平型端子をバッテリーホルダーの端子に取り付けします。
こちらは差し込みするだけでOKです。

動作確認

通電確認

テスターにて通電確認を行います。
当たり前ですが普通に通電します。

公称値、14.4Vのリチウムイオンバッテリーを接続していますが、電圧を計測すると16.2Vありました。
バッテリーが満充電の状態なので、若干高めの電圧となっています。

少し高めの電圧でも電動リールの動作には問題ありません。

ちなみに、リチウムイオンバッテリーのセルは定格電圧3.6V、満充電では4.1V程度です。
14.4Vというのは定格電圧3.6Vのリチウムイオンバッテリーセルを直列で4個接続した場合の値です。

電動リールを接続する

出来上がったバッテリーケースに電動リールを接続し、動作確認を行いました。
∪字金具を使用しているため、電動リールコードのワニ口クリップの接続が楽です。

電動リールは何の問題もなく動作します。

自作バッテリーケースのインプレ

サイズ

車用のバッテリーと比較するとかなりコンパクトにまとまりました。
これを100均の保冷バッグにいれて船に持ち込みします。

重さ

6Ahのバッテリーをセットした状態での重さは691gでした。

車用のバッテリーと比べると雲泥の差です。

まとめ

今回作成した電動リール用マキタバッテリーケースですが、手間は掛かるものの部品代、数百円程度で出来てしまいます。

困ったことといえば、マキタのバッテリーがピッタリ収まる100均の密閉ケースがなかなか売っていないことです。 入手するのに100円ショップを何店舗かまわりました。

他の部品はすべてネットから入手可能です。

私はマキタのバッテリー6Ahのものを2台で運用しています。 合計で12Ahもの容量がありますので一日釣りをするには十分な容量があります。 また、重量も軽く持ち運びも楽に行なえます。

14.4Vは圧倒的にパワフル!

12Vバッテリーで動作させた場合と比較すると、14.4Vバッテリーを接続した電動リールは、段違いにパワフルです。

特に、モーターの回転スピードが圧倒的に早く、フォースマスター601ってこんなにもパワフルだったんだ!と改めて実感しました。

追加情報(追記:2021/8)

マキタワークライトの補修用部品の入手状況について

当ブログにて紹介している[マキタワークライトの補修用部品]ですが、以前はモノタロウにて簡単に購入できましたが、現在は未入荷や品薄状態が続いているようです。(2021/8)

また、ある型番については取り扱い停止となっており、日々入手が困難となっています。

https://www.monotaro.com/p/6609/7623/

バッテリーホルダー

マキタ部品の弱点と代替品

マキタの黄色いアダプターは、バッテリーの端子に刺さっているだけで、電動工具のようにバッテリーが固定されるわけではありません。

このことから、バッテリーケースの蓋を閉める際に、配線コードなどとの干渉によりアダプターがバッテリーから外れてしまう場合があります。
(注意して蓋を閉めれば問題ありません)

前述のとおり、マキタアダプターの入手が不安定ということと、不注意でアダプターがバッテリーから外れてしまう恐れもあり、このマキタの部品を使わななくてもマキタのバッテリーから電源が取り出せないかを検討してみました。

マキタの補修部品と同じようなものが中国系海外通販のサイトやAmazonでも販売されているようです。

購入したアダプターがこちら。

このアダプターのいいところは、電動工具の様に「カチッ」とバッテリーに固定されますので、マキタ補修部品の様にバッテリーから外れてしまうことはありません。

14AWG(2.0sq)の配線が接続されており、電動リールでの使用においても何ら問題ありません。

欠点はマキタの部品と比べて価格が高いこと。約3倍の価格になります。

こちらのアダプター、製品のロットにもよりますが14.4Vバッテリーへの装着が非常に硬い場合があり、無理やり装着すると取り外すのに苦労することがありますので注意が必要です。ここは中華製品特有の品質のばらつきということでしょうか。

ちなみに、18Vバッテリーへの装着は問題ありません。14.4Vバッテリーと18Vバッテリーのアダプター装着部分は全く同じように見えますが、若干サイズが異なるようです。

バッテリーケース販売

Amazon

14.4V仕様

自作するのが面倒・工作が苦手という方の為に、今回作成した電動リール用マキタバッテリーケースをAmazonにて販売致します。 興味のある方はチェックしてみてください。

18V対応

さらに、要望が大きかったマキタ18Vリチウムイオンバッテリー対応品を作成いたしました。

この18Vバッテリー対応品は、アルミヒートシンク型のDC-DCコンバーターを内蔵しています。
なお、DC-DCコンバーターは小型、中型の電動リールに対応する最大電流15Aタイプ、大型の電動リールに対応する最大電流25Aタイプの2種類を販売しております。
よろしくお願い致します。

デュアルバッテリー仕様

新しい機種としてデュアルバージョンをリリースします。
こちらは14.4Vバッテリーを並列接続で、6Ahバッテリーなら6Ah + 6Ahの合計12Ahの容量となります。
長時間の釣行や遠征などでもバッテリー入れ替える手間がなくなります

また、並列接続ですので一つのバッテリーの負荷が半分になります。
これにより、より大型の電動リールにも対応可能となりました。
電動ジギング用の大型の電動リールをお使いの方もご検討されてはいかがでしょうか?

ヤフーショッピング

ヤフーショッピングでも購入が可能です。アマゾンは利用していないという方はこちらをご利用いただければと思います。よろしくお願い致します。

なお、ヤフーショッピングや楽天市場等では、当社の商品を無断で転売している業者もいるようです。ご注意ください。

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