ベアリングチューン(ボールベアリング追加カスタム)
前回、 [シマノ 18 炎月プレミアム(151PG)]のベアリングチューン(ボールベアリング追加カスタム)launch を行いました。今回は手持ちの電動リールのベアリングチューンを行いたいと思います。
私は電動リールを2個所有しています。
- シマノ20フォースマスター601
- シマノ18プレイズ3000XP
これら電動リールのハンドルノブにベアリングを追加して性能アップを図っていきたいと思います。
特にハンドルにトルクが掛かる場面では、ボールベアリングが威力を発揮します。
電動リールのハンドルノブ
シマノの電動リールのハンドルノブは、最上位機種のビーストマスターも含め、全ての機種でボールベアリングが使われておりません。
構造上、ボールベアリングが使用できる箇所であっても、プラスチックのブッシュが使用されています。
ハンドルノブの構造はステラSWやツインパワーSWと同じですので、ボールベアリングを使用することが可能なはずですが、なぜか最上位機種のビーストマスターですらプラスチックのブッシュが使われています。
電動リールであるためハンドルを使用する頻度が低いので問題ないということ、またボールベアリングにすることで塩ガミなどのトラブルの発生を避ける狙いがあるのだと思います。
電動リールの故障(寿命)
電動リールが故障する主な原因はモーターのトラブルによるものです。 過度な負荷を掛け続けることによる発熱や焼き付き、ブラシの異常摩耗によりモーターが故障します。
また、電動リールの寿命 = モーターの寿命とも言えます。
私は電動リールであっても積極的にハンドルを使用するようにしています。
特に大きな魚がかかった際は、モーターは回転しているけど糸が巻けない(ドラグが出る)といったことが頻繁に発生します。
これはモーターに過度に負荷をかけることになり、モーターの寿命を縮めますので、この場合はモーターのスイッチを切り、ハンドルだけでやり取りを行うようにしています。
またトラブルを未然に防ぐため、メーカーとしては定期的にオーバーホールを行うことをアナウンスしています。 シマノ公式にて、オーバーホールメニューも用意されています。参考にして下さい。
シマノリールのハンドルノブタイプ
シマノのリールのハンドルノブは大きく分けて、Aタイプ・Bタイプ・Cタイプの3種類があります。
このうち主に用いられるのはAタイプとBタイプになります。
通常のリールはAタイプ、電動リールや大型ソルトウォーター用のリールはBタイプとなります。
20フォースマスター601
交換するパーツ
ハンドルノブの外側のブッシュ[部品番号:0007 - ハンドルノブブッシュ(A)]と内側のブッシュ[部品番号:0009 - ハンドルノブブッシュ(B)]をボールベアリングに交換します。
ブッシュのサイズ
[部品番号:0007 - ハンドルノブブッシュ(A)]
このブッシュはハンドル軸の外側に配置されています。実測値としては[内径:3.9mm 外径:8.9mm 厚さ:3.7mm]でした。
このサイズに最も近い規格のベアリングは、ミネベアミツミの型番では DDL-940ZZlaunch [内径:4mm 外径:9mm 厚さ:4mm] になります。(ISO/JIS番号:684ZZ)
[部品番号:0009 - ハンドルノブブッシュ(B)]
このブッシュはハンドル軸の内側に配置されています。実測値としては[内径:5.0mm 外径:9.0mm 厚さ:2.9mm]でした。
このサイズに最も近い規格のベアリングは、ミネベアミツミの型番では DDL-950ZZlaunch [内径:5mm 外径:9mm 厚さ:3mm] になります。(ISO/JIS番号:なし)
まとめ表
内径(mm) | 外径(mm) | 厚さ(mm) | ミネベア型番 | |
---|---|---|---|---|
ハンドルノブブッシュ(A) | 4 | 9 | 4 | DDL-940ZZlaunch |
ハンドルノブブッシュ(B) | 5 | 9 | 3 | DDL-950ZZlaunch |
18プレイズ3000XP
交換するパーツ
ハンドルノブの外側のブッシュ[部品番号:0007 - ハンドルノブブッシュ(A)]と内側のブッシュ[部品番号:0009 - ハンドルノブブッシュ(B)]をボールベアリングに交換します。
フォースマスター601と全く同じ構成です。
ブッシュのサイズ
プレイズ3000XPのハンドルノブのブッシュを確認したところ、フォースマスター601のハンドルノブのブッシュと全く同じものでした。まとめ表
内径(mm) | 外径(mm) | 厚さ(mm) | ミネベア型番 | |
---|---|---|---|---|
ハンドルノブブッシュ(A) | 4 | 9 | 4 | DDL-940ZZlaunch |
ハンドルノブブッシュ(B) | 5 | 9 | 3 | DDL-950ZZlaunch |
ボールベアリングを用意する
ベアリングの型番
ベアリング製造メーカーのミネベアミツミ社のホームページにて、内径、外径、厚さを入力すると製品の型番を検索することが出来ます。
先にブッシュのサイズを計測しましたので、その値を元にベアリングの型番を検索します。 また、ベアリングはISOやJISなどで規格化され管理されています。
ベアリングの入手
リールに使われている小型のベアリングは一般的にミニチュアベアリングと呼ばれており、昔はラジコンショップや模型店で売られておりました。
現在では通販で入手することが一般的かと思います。 AmazonやYahooショッピング、各種ネット通販にて入手することが可能です。
DDL-940ZZ
DDL-950ZZ
シマノ21ツインパワーSWのハンドルノブベアリングを流用する
ハンドルノブの互換性
シマノ、フォースマスター601とプレイズ3000XPのハンドルノブは、シマノのSW系リールのハンドルノブと互換性があります。 つまり、SW系リールのハンドルノブに使用されているベアリングを流用することが可能です。
また、シマノ純正のベアリングはSARBボールベアリングとなっており、より錆に強くなっています。
純正パーツということもあり値段は高いですが品質は確かです。
流用するパーツ
流用するパーツはシマノ21ツインパワーSWの分解図を確認すると[部品番号:0118 - ボールベアリング(5×9×3 SARB)]と [部品番号:0120 - ボールベアリング(4×9×4 SARB)]の2個のボールベアリングになります。 こちらは釣具店にて注文することで入手可能です。
部品番号 | 部品名 |
---|---|
0118 | ボールベアリング(5×9×3 SARB) |
0120 | ボールベアリング(4×9×4 SARB) |
シマノ21ツインパワーSWの分解図
交換手順
ハンドルノブの取り外し
1円硬貨などを使用してハンドルノブの蓋を取り外しします。
蓋の中にプラスネジがありますのでこちらをドライバーにて取り外しします。
ネジは舐めやすいので注意して下さい。
使用するドライバーは1番です。
ハンドルノブ分解図
ハンドルノブのパーツを並べました。
左から2番目の白いプラスチックのパーツ(ブッシュ)と右から3番目の黒いプラスチックパーツ(ブッシュ)をボールベアリングに置き換えます。
Weraのダイヤモンドチップドライバー
余談ですが、私はWeraのダイヤモンドチップドライバーを愛用しています。
ドライバーの刃先にダイヤモンドチップが埋め込まれており、ネジ山への食いつきが抜群でカムアウトしにくくネジを舐めることがありません。
釣行後のメンテナンス
プラスチック製のブッシュからステンレスのベアリングに置き換えたことにより、錆や塩ガミによるトラブルのリスクもあります。
釣行後は、ハンドルノブを水道水にてよく洗い流し、塩分が残らないようにして下さい。